元美容師が教える美容院と髪のこと

元美容師が美容院と美容師、髪の毛のことを紹介するブログです。

美容院で髪型をおまかせすると失敗する?元美容師が教える上手な頼み方

美容師に相談

美容院へ行きたいけれど、どんな髪型にしたらいいのかわからない。

そんなとき、

「似合う髪型におまかせでお願いします」

と美容師さんに頼みたくなることってありますよね。

髪のことを勉強している美容師なら、自分に一番似合う髪型を考えてくれそうな気もします。

もちろん美容院で髪型をおまかせすること自体はまったく問題ありません。

ただ、私が美容師をしていたときに少し困った注文のひとつが、

「何でもいいので全部おまかせします!」

というものだったんです。

自由に切っていいのだから簡単そうですよね。

でも実際には逆で、自由すぎるからこそ難しいんです。

美容師から見て似合う髪型と、お客さん本人が好きな髪型は必ずしも同じではありません。

今回は元美容師の視点から、美容院で髪型をおまかせするときに失敗しにくい頼み方について紹介したいと思います。

美容院で髪型をおまかせすると失敗する?

美容師をしていたころ、

「私に似合うようにしてください。全部おまかせで!」

と言われることは何度もありました。

こう言われると美容師としても、

「よし、似合う髪型を考えよう」

と思います。

ただ、そのあと必ずいくつか質問をしていました。

「長さはどのくらいまで切っても大丈夫ですか?」

「前髪は短くなっても平気ですか?」

「普段スタイリングしますか?」

などですね。

すると、

「長さはあまり変えたくないです」

「前髪が短いのは嫌です」

「朝は何もしません」

と、だんだん条件が出てくることがよくありました。

つまり最初は「全部おまかせ」と言っていても、実際には誰でも多少の希望があるんです。

これは美容師側からするとかなり重要な情報です。

例えば美容師が、

「この人はショートが似合いそうだな」

と思っても、本人は長い髪が好きかもしれません。

逆に美容師が女性らしい髪型を提案しても、本人はかっこいい雰囲気が好きかもしれません。

美容師が判断できるのは、

・顔の形
・髪質
・毛量
・骨格
・現在の長さ
・髪の生え方

などです。

でも、

「本人がどんな髪型を好きなのか」

までは髪を見てもわかりません。

そのため美容院で髪型をおまかせするときは、何も伝えないよりも、最低限の条件を伝えた方が失敗しにくくなります。

「何でもいいです」が美容師には一番難しい?

私が美容師をしていたころ、

「何でも大丈夫です」

と言われてカウンセリングを進めていくと、

「そこまで短くなるのはちょっと……」

と言われることがありました。

これは別にお客さんが悪いわけではありません。

本人の中では、

「今の髪型から大きく変えない範囲なら何でもいい」

という意味だったんですね。

でも美容師側の「何でもいい」と、お客さん側の「何でもいい」の範囲が違っていたわけです。

美容院ではこういう小さな認識のズレが仕上がりの不満につながることがあります。

私自身、この経験から「おまかせ」と言われたときほど細かく確認するようになりました。

美容師によっては、

「それならこの髪型が似合うと思います」

と積極的に提案してくれる人もいます。

一方で、お客さんの希望を優先してあまり大きな変化をつけない美容師もいます。

ですから「おまかせ」と一言で言っても、担当する美容師によって仕上がりはかなり変わると思います。

おまかせするときは「嫌な髪型」を伝える

やりたい髪型が思いつかない人に一番おすすめしたいのが、

「やりたくない髪型を伝える」

ことです。

これ、実際に美容師をしていたときもかなり助かりました。

例えば、

「似合うようにしてください。ただ前髪が短くなるのは嫌です」

と言われれば、

「前髪は残した状態で似合う髪型を考えればいいんだな」

とわかります。

ほかにも、

・耳が全部出るのは嫌
・髪をすかれすぎるのは嫌
・子供っぽくなるのは嫌
・ボーイッシュすぎるのは嫌
・重たく見える髪型は嫌
・朝のセットが大変なのは嫌

などがあります。

美容師としては「できること」がわかるのと同じくらい、「やってはいけないこと」がわかるのも大切なんです。

特に短く切る場合は重要ですね。

一度切ってしまった髪はその場では元に戻せません。

私もカットするとき、

「ここまで切っても大丈夫ですか?」

と確認することはよくありました。

少しでも嫌なことがあるなら、遠慮せず最初に伝えておいた方がいいと思います。

長さだけはある程度決めておこう

髪型そのものはおまかせでもいいですが、

「どこまで短くしてよいか」

については決めておくことをおすすめします。

例えば、

「肩より短くならなければ大丈夫」

「結べる長さは残したい」

「ショートになっても大丈夫」

といった感じですね。

特に女性のお客さんの場合、

「おまかせで」

と言われてもロングからいきなりショートにする美容師はそれほど多くないと思います。

やはり美容師側にも、

「本当に切って大丈夫かな?」

という不安があるからです。

私の場合も、大きく長さを変えるときはかなり確認していました。

逆に、

「短くなってもいいので、似合う感じにしてください」

と言ってもらえると美容師側もかなり提案しやすくなります。

髪型を決められなくても、

「ここまではOK」

というラインだけ決めておくといいですね。

前髪は「完全おまかせ」にしない方がいいことも

美容師をしていて感じたのですが、前髪はかなり好みが出る部分です。

髪全体を数センチ切るより、前髪を1センチ短くした方が気になるという人もいます。

実際、

「全体はおまかせでいいですけど、前髪だけは眉毛が見えないようにしてください」

というお客さんもいました。

個人的には、こういう頼み方はすごくわかりやすいと思います。

前髪は顔の印象を大きく変えます。

しかも毎日鏡を見るたびに目に入る部分です。

前髪に少しでもこだわりがあるなら、

「目の上くらい」

「眉毛は出さない」

「前髪は伸ばしている」

など、希望を伝えておきましょう。

逆に本当にこだわりがないのであれば、

「前髪も似合うようにしてもらって大丈夫です」

と言えば、美容師も顔型などを見ながら提案しやすくなります。

私が一番やりやすかった「おまかせ」の頼まれ方

美容師をしていたときに個人的に一番やりやすかったのは、

「細かい髪型はおまかせするけど、希望は少し教えてくれる」

お客さんでした。

例えば、

「今より少し大人っぽくしたいです。長さは肩くらいまでなら切って大丈夫です。朝はあまりセットしません」

こんな感じです。

これだけ情報があると、かなり髪型を考えやすくなります。

髪型の名前なんて知らなくても大丈夫です。

むしろ、

「この部分を何センチ切って、ここを何センチすいて……」

と細かく指定されるより、

「こう見せたい」

と教えてもらった方が美容師として提案できることもあります。

例えば、

「大人っぽくしたい」

なら顔まわりの作り方を変えたり、

「かわいい感じにしたい」

なら丸みのあるシルエットを考えたりできます。

「髪型はわからないけれど、こういう雰囲気になりたい」

という伝え方で十分なんです。

美容師には普段の生活も意外と重要

これは美容師をしてみて意外だったことのひとつですが、髪型を決めるときは普段の生活もかなり重要です。

例えば美容院では、

ドライヤーを使って、

ブラシを使って、

必要ならヘアアイロンを使って、

ワックスをつけて、

最後にスプレーをする。

ここまでやればかなりきれいに仕上がります。

でもお客さんが翌朝同じことをするとは限りませんよね。

以前、

「朝はほとんど髪を触らないです」

というお客さんを担当するときは、なるべく乾かすだけでも形になりやすい髪型を意識していました。

反対に、

「毎朝アイロンを使います」

という人なら、スタイリングすることを前提にした髪型も提案できます。

美容院ではきれいだったのに、自宅に帰ったら再現できない。

これは美容院ではよくある不満のひとつだと思います。

ですから、

「朝は5分くらいしか髪に時間をかけません」

「ワックスは使いません」

「毎日アイロンを使います」

なども美容師に伝えてみてください。

髪型とは関係なさそうですが、実はかなり重要な情報です。

写真は1枚より何枚かあるとわかりやすい

好きな髪型があるなら写真を見せるのもおすすめです。

私が美容師をしていたときも、雑誌の切り抜きやスマートフォンの写真を見せてもらうことがありました。

写真を見せることを恥ずかしがる人もいるのですが、美容師側からするとかなり助かります。

ただ、さらにわかりやすいのが複数の写真を見せることです。

例えば3枚くらい写真を見せてもらって、

「この3つみたいな感じが好きです」

と言われると、

「あ、この人はこのくらいの長さと雰囲気が好きなんだな」

という共通点が見えてきます。

逆に写真を1枚だけ見せると、

美容師はその写真のどこが好きなのかわからない場合があります。

長さが好きなのか、

前髪が好きなのか、

色が好きなのか、

全体の雰囲気が好きなのか。

そこで、

「この髪型の前髪が好きです」

「この写真くらい軽い感じが好きです」

と一言加えると、さらに伝わりやすくなります。

有名人の写真を見せるのは恥ずかしくない

美容師にスマホを見せる

美容院で芸能人やモデルの写真を見せるのを恥ずかしがる人もいます。

「顔が全然違うのに、この写真を見せたら変に思われないかな」

と思うのかもしれません。

でも美容師側はそんなことはあまり気にしていません。

写真は完成形を共有するための資料のようなものだからです。

もちろん顔型や髪質が違えば全く同じにはなりません。

それでも、

「こういう雰囲気が好きなんだな」

と知ることができます。

私自身も写真を見せてもらったとき、

「この髪型そのものにしたいのか」

というより、

「この写真のどこが好きなのか」

を見るようにしていました。

だから遠慮せず見せて大丈夫です。

美容師に自分の悩みを伝えるのもおすすめ

おまかせで髪型を決めてもらうなら、髪の悩みも伝えてみましょう。

例えば、

「トップがぺたんこになる」

「横に広がる」

「後頭部がつぶれて見える」

「髪が多くて重く見える」

「くせ毛でまとまらない」

などです。

美容師からすると、こうした悩みは髪型を決めるヒントになります。

私が美容師をしていたころも、

「後頭部がぺたんこに見えるのが嫌」

と言われれば、横から見たシルエットを意識してカットしていました。

「髪が多くて広がる」

のであれば、ただたくさんすけばいいというわけでもありません。

髪質によってはすきすぎると余計に広がることもあります。

自分では、

「この髪質はどうしようもない」

と思っていても、カットである程度扱いやすくできることもあります。

おまかせするなら、

「何が嫌なのか」

「何に困っているのか」

も美容師に教えてあげるといいですね。

初めての美容師より何度か担当してもらった美容師の方がおまかせしやすい

完全なおまかせがうまくいきやすいのは、やはり何度か担当してもらっている美容師です。

美容師をしていたときも、長く担当しているお客さんの場合は、

「いつもみたいな感じで」

だけでほとんどわかることがありました。

前髪はこのくらい。

あまり軽くしすぎるのは好きじゃない。

朝はほとんどセットしない。

仕事では髪を結ぶ。

こうしたことが少しずつわかってくるからです。

逆に初めて担当するお客さんの場合は、髪を見れば髪質はわかっても好みまではわかりません。

初めての美容院では、

「似合うようにおまかせします。ただ、長さは肩より短くせず、前髪は今くらい残してください」

というくらいの頼み方がちょうどいいと思います。

そして、

「この美容師さん、自分の好みをわかってくれるな」

と思ったら、何度か同じ人を指名してみるのもおすすめです。

そのうち本当に、

「おまかせで」

だけでも通じるようになります。

美容師がおまかせで困っていそうなら?

「おまかせでお願いします」

と言ったあと、美容師からいろいろ質問されることがあります。

そこで、

「おまかせって言ったのに、なんでこんなに質問されるんだろう?」

と思うかもしれません。

でも、質問が多い美容師が自信がないとは限りません。

むしろ失敗しないために確認していることも多いです。

私自身も、おまかせと言われたお客さんほどいろいろ聞くことがありました。

「今日は何か予定がありますか?」

「普段髪を結びますか?」

「前髪はどちらに流しますか?」

など、一見どうでもよさそうなことを聞くこともあります。

でも、そうした情報が仕上がりを決めるヒントになります。

ですから美容師から質問されたら、

「おまかせだから何でもいいです」

ではなく、思ったことをそのまま答えてあげるのがおすすめです。

美容院でおまかせするときの頼み方の例

実際には次のような頼み方がわかりやすいと思います。

あまり髪型を変えたくない場合

「似合うようにおまかせしたいです。長さはあまり変えず、前髪も今くらい残してください」

イメチェンしたい場合

「今の髪型に飽きたので雰囲気を変えたいです。短くなっても大丈夫ですが、子供っぽくならない感じでおまかせしたいです」

セットが苦手な場合

「自分に似合う髪型がわからないのでおまかせしたいです。朝はほとんどセットしないので、乾かすだけでもまとまりやすい髪型がいいです」

本当に似合う髪型がわからない場合

「自分では何が似合うかわからないので相談したいです。前髪が短くなるのだけは苦手で、それ以外は似合うようにしてもらって大丈夫です」

私が美容師なら、このくらい教えてもらえればかなり提案しやすいですね。

まとめ

美容院で、

「似合う髪型におまかせします」

と頼むこと自体はまったく問題ありません。

ただ、美容師をしていた経験から言うと、

「何でもいいです!」

が実は一番難しい注文だったりします。

美容師には髪質や顔の形を見ることはできても、その人の好みまではわからないからです。

おまかせするときは、

・絶対に嫌な髪型
・どこまで短くしていいか
・前髪をどうしたいか
・なりたい雰囲気
・普段どのくらいセットするか
・髪について困っていること
・仕事や学校での制限

このあたりを少し伝えてあげると、かなり失敗しにくくなります。

個人的には、

「〇〇だけは嫌ですが、あとは似合うようにおまかせします」

という頼み方がおすすめです。

美容師側にも自由に提案できる部分があり、お客さんが嫌な髪型になる可能性も減らせます。

そして本当に全部おまかせしたいのであれば、一度きりの美容師より、自分の髪質や好みをわかってくれている美容師にお願いする方が成功しやすいと思います。

何度か同じ美容師に担当してもらっていると、

「いつもの感じで、あとはおまかせ」

だけで通じることもあります。

美容院で何と頼めばいいかわからないという人は、「髪型を決める」のではなく、まず「嫌なこと」と「なりたい雰囲気」だけ考えてから行ってみてくださいね。

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